夢。

 

真夏、山梨の田舎町、あるフェスの会場にいる。

スタジオラドムというステージで、SaToAが演奏しているのを眺めている。残り5分になったところで、裏でやっているROTH BART BARONを見るために移動をはじめる。ROTHはラインパークスという場所でやってるらしい。

 

会場はとてもひろく、Googleマップで検索をするが、なんどやっても岡山の似た名前のところがでてしまう。なんとか場所をつきとめ向かうのだが、とても険しい、道とも言えない道を通らねばならない。

 

崖から飛び出た刃物や枝に身体を擦りながら、どうにか会場に近づいていく。だんだんとROTHの声と、ドライアイスにノコギリをこするような音が聞こえてくる。が、着く直前にライブは終わってしまう。

 

れんがラインパークスのほうから満足気な表情でこちらへ向かってくる。私はれんから雪みたいな赤子を預けられる。抱きかかえると、赤子は少しずつ変化し、最終的に湯本駅前にある犬の銅像の姿に変貌を遂げる。

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キャベツの千切りは、文明の利器によるものより、ひとが包丁で切ったもののほうが美味しいという。
厚みに多少ばらつきがあったほうが、食感にあそびが生まれるのだそうだ。

 

近所によく行くとんかつ屋さんがある。
この店は老夫婦がふたりで切り盛りをしていて、基本的には奥さんが調理をし、旦那さんが出前の配達で動き回っている形だ。


兎にも角にも、奥さんの手際の良さが素晴らしい。みえるすべての行為--肉やキャベツを切るとき、パン粉をつけるとき、揚げるときなど--を前後にからだを揺らしながら行う。そのBPMが崩れることは決してない。


夫婦はとても仲が良く、狭い厨房を移動する際、すれ違う時にお尻をぶつけあったり、奥さんが卵の殻をゴミ箱にシュートして、その様子を眺めていた旦那さんが小さく手を叩いたりしていた。


後ろのテレビからは、「ドライブスルー葬儀」の紹介が流れている。車の窓から手を伸ばし、お焼香ボタンを押すと棺横にあるLEDの造花が光りお焼香完了とのこと。全く意味がわからない。


いつものロースカツ定食。私はひとに聞いたことを思い出しながら、付け合せのキャベツを食べた。少し、泣きながら食べた。

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93年1月生まれの三人で、ピューロランドへ行った。

初めて行ったそこで、視覚と聴覚に圧力をかけられながら、ディズニーとの違いについて考えていた。


ディズニーは夢が主体なのに対して、ピューロランドは現実的、かつ概念に重きを置いていた。

ショーで発せられる言葉は、思いやりとか優しいこころとか、そういった類のものだった。ミッキーだったら夢の国へさぁいこうとかだから、結構な違いだ。

 

ショーのお姉さんが持っているのと同じステッキを、ちびっ子たちのほとんどが持っている。

お姉さんが「このステッキには、思いやりの心が詰まっていま〜す!みんなで思いやりの心をくるくる〜!」みたいなことを言ったのをよく覚えている。

 

マイメロの乗り物は写真を撮ってくるタイミングが掴めず、バツマルの壁紙は少し剥がれていて、キティに抱きついたら体温があった。

ぜんぶ正解だと思った。

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一週間おきに更新するとか言ったけど、すぐに一か月が経ってしまった。

いろんなことがあった。その大体が書きたくないことなので、ひとつだけ選んで書く。

 

祖父が死んだ。84歳、肺炎だった。

運ばれたときの血中酸素濃度が、3年前に私が喘息で倒れたときの数値よりも低かった。

 

3年前に祖母が亡くなったときは、どうしても仕事を断れず葬儀に出れなかった。そのことがずっと悔しく、申し訳ない気持ちで、今回はどうにか行こうと思った。

深夜の高速バスの中では、ずっとおじいちゃんのことを考えていた。いわきへ近づくにつれ、空がおおきくなる。等間隔に並んだ街灯のあかりが、バスの窓越しに見えては瞬時に消えて行く。その間隔がちょうど聞いていたsubmerseの拍子とぴったり合う瞬間があってうれしい。友部SAで吸うたばこは美味しかった。

 

全部がはじめてだった。

棺にからだを入れる際、おじいちゃんの利き手を初めて知る。

私と同じ、左利きだった。

 

お盆に並べられた別れ花を手に取り、それぞれの花の名前を心のなかで唱えながら、おじいちゃんの顔の周りを花でいっぱいにしていく。最後、かすみ草をゆりと菊の隙間に入れる時、自分なりに工夫をした。

普段は花をみるとその種類によって様々な記憶が蘇ってくる。今回はそれがない。

 

思っていたよりも大きく、冷たいからだ。遺影のおじいちゃんがこっちを見ている。

この写真が、私が撮った写真だったらよかった。と思った。

おじいちゃんのことは、二枚くらいしか撮ったことがない。

 

おじいちゃんのお骨はとても立派だった。

私の骨はどんなだろう。

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歩きながら顎をぐっとあげる。

ここは東京駅、夜空の紺に高層ビルの灯り。
数秒後、灯りは滲み、放射状に広がっていく。

目薬によるものなのか、本当に泣いているのか、自分でもわからない。

私は、あかるいところへ。

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ツナとしめじと新玉ねぎのパスタ たっぷりのオリーブオイル 食べる直前のレモンが重要 新しく買った食器を初出動した 好きな食器でたべるごはんはおいしい

 

カレー 普通のが食べたくて、説明書き通りに作る アクを取る、という作業が結構好きだと自覚 れんこんが余っていたので入れた 忘れた頃にさっくりが訪れてたのしい

 

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