夢。

 

巨大な一軒家。いつでどこなのかはわからない。リビングには光、晴れであることはわかる。

アクセサリーの広告撮影の現場だ。

ディレクター、モデル、マネージャー、ヘアメイク、スタイリスト、美術監督、編集者、手伝いで集められた若い男女、そして、撮影を担当する私。
ヘアメイクが1時間押し、そして美術の準備が終わらず、撮影が一向にはじめられない。

タバコを吸いに一度外へ出る。二本続けて吸って、そろそろ始まるのではないかと撮影場所に戻ろうとするが、歩いても歩いてもたどり着けない。ここはどこなんだろう。写真を撮りに行かなくちゃ。あれ、カメラはどこに置いたっけ。私の電話が鳴っている気がする。なのに見当たらない。こわい、どうしよう。

少し経って、ここは一軒家ではないことに気がつく。


私は巨大な競技場の真ん中にひとり立っている。

 

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最近感じた印象的な光について。

 

京都の骨董屋で購入した、ソフトボールくらいの大きさのサンキャッチャーを窓辺に置いた。

壁、フローリング、天井、40Wの電球、写真集、ドライフラワー、貝殻のオブジェ、昨日飲んだ缶ビール、静岡の海で拾ったおおきな石、大人買いしためぞん一刻

晴れの昼、太陽のおおきく真っ白な光を受けて、部屋じゅうに虹色の玉がひろがっていく。

飼っている文鳥の鳥かごにもそれはあった。臆病な鳥は慌ただしく籠の隅に移動して、その虹を不思議そうに眺めていた。

吉岡徳仁氏のスペクトルよりも、この部屋が好きだなと思った。

 

二階の洋室には、日中ずっと光が入る。

午前の仕事を終えて帰宅。窓の形そのままの直射日光に大きなクッションをのせて、ゆっくりと仰向けになる。私の知りうる最高の昼寝がはじまる。部屋着を通して伝わるフローリングの硬さと温度が気持ち良い。加えて、穏やかなゆめ。

時間を経て移動する光に合わせて、うとうとしながら自分自身も移動。ひとしきり身体が休まったころ、太陽は傾き、光は壁へ逃げていく。すべてが良い塩梅だ。

 

私はアニメをほぼ通ってこなかった。ちゃんと観た記憶があるのはナルトとかまるこちゃんとか。あとはジブリくらい。そんな私が、最近になってアニメの魅力に気づき始めている。友達とNetflixのおかげ。

単純にストーリーが面白いというのもあるけれど、アニメでしか出来ないものことがたくさんあるということを知ったのが大きい。それは人物の動きだとか非現実的な演出だとか色々。中でも光の使い方に魅了されている。

例えば、画面の前にいる人物は順光なのに、背景の建物は逆光になっているとかそういうもの。意図的に、けれどさりげなく太陽を増やしてしまう。なんて素敵なことなんだろう。

そういったシーンを、何度もなんども見返している。アニメから受ける影響は大きい。

 

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何かを買って帰りたい気分だった。

吉祥寺のだいすきな古本屋さんへ。写真集の棚で見つけた、上田義彦さんが撮った伊東美咲さんの写真集を買おうと思っていたとき、一冊の絵本が目にとまった。

タイトルは「ミッフィーフェルメールさん」。ミッフィーミッフィーのパパが、故郷の同じフェルメールの名画を紹介していくもの。即決。写真集を棚に戻し、絵本を抱えてレジへ。

 

「こんなおうちで くらしたら たのしそう。おおきな まどが たくさんあって」

「このおんなのこ こっちをみたのは よばれたからかな。それとも さようならっていうためかな」

極めてシンプルなまなざしでページは進んでいく。

 

これでいいんだよなぁとしみじみした。有名だからすごい絵だとなんとなく言ってしまったりだとか、知識を振りかざしての解釈だとかそういうのじゃあなく。子どもの目は正しく素直で新鮮で、時に大人を圧倒する。

 

子どものころからミッフィーがだいすき。絵本やアニメーションを観て、彼らの横顔が見れる日はくるのだろうかと、ずっと思っていた。けれど、ついこの間デスクの端にいるミッフィーの貯金箱を冷静にみて、その時がきてしまった。なんだか切なかった。私は知らない。ミッフィーの横顔を知らない。 

 

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最近悩み事がどんどん増えている。

でも大丈夫、なにも怖いことはない。先走って咲いた春の花を見つけることができる。水道代が前の月より安かった。ポッケの中のシルバニアがかわいい。iPodをシャッフル、一曲目が麻丘めぐみでその次がメルツバウだった。タートルネックのニットと靴下の色が合っている。洗濯物を干したらクリップをちょうど使い切った。今日も検索が上手。リュックにはいつだってトランプが入っている。強い風が吹く、冷気がほっぺたを刺す、まつげが揺れるのがわかる。私はいますぐに走り出したい。

 

よし。

 

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豚肉のマヨポン炒め 安売りだった豚こまと冷蔵庫で寂しそうにしてる残り野菜をマヨとポンで適当に炒めたやつ 最近こればっかり 美味しいけれどそろそろ飽きるかな

コンビニのドリア 酔っ払って帰宅 忘れていた空腹を思い出す 作る元気も材料もなし 裸足にビーサンで近くのコンビニへ 数滴のタバスコで幸せが訪れる

 

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